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Overture Center


Madisonの芸術の中心、Overture Centerに初めて行って参りました!

以下、Overture Centerのガラス張りのロビーから。
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実は職場の裏にあったりして、毎日横を通っているんですが、昨年春の五嶋みどりのコンサートが中止になって以来(TT)なんとなく行く機会がなかったんですよね。
(ほんとにほんとに、みどりちゃんのヴァイオリン聴きたかったけど!!!でものっぴきならぬご事情だったようで、涙を飲みました…(TT))

でも、今度はピンカス・ズッカーマンが、地元のMadison Symphony Orchestraとバッハのヴァイオリン協奏曲その他をやるというので、思わずA席奮発してしまいました!
A席75ドル。一番安い席は15ドル(University Wisconsinの学生だと10ドルになるらしい?!)
めちゃくちゃ悩みましたが、どんな指を使ってるか、ボウイングはどんな感じか、やっぱり見てみたかったので、エイッとばかりに、高い方を………

で、結論。

安くても、2階以上の方が、あのホールは音が断然いいです(T▽T)

まあ、大体、どこのホールでも1階より2階の方が若干音がいいんですが、Overture Centerは今時めずらしく4階までバルコニーがある(!!)古風な作りで、高さのわりに客席の奥行きがないんですね。
座席表をみてそこそこ1階でも真ん中より後ろの方だったので、これならいい音が聞こえるだろう、と思ったんだけど、全体の奥行きがないからちょっと近すぎました……それから、思ったより傾斜がなかったし。

事前に一度でも中を見ておけば、確実に2階以上を選んだんですが!
ただ、4階までつみかさなったバルコニーでは、矢張り後ろの方はソリストがあまりよく見えない席とかもけっこう在ったみたいです。。。
だから15ドルなのね (^^;)
でも、音は相当よく聞こえたようで、15ドルの席で聴いていた友人は、「ズッカーマンのブレスの音が聞こえた」と言っておりました。
(これは彼が鼻息が荒い、という意味ではないですよ! 弾き振りですから、オケに合図を出すために、呼吸を自分に合わせるよう大きく息を吸ったりすることがある、ということです)

このOverture Center、実は2年前に建て直されたばかりです。古い建物が老朽化したので全面リニューアルとなったのですが、その時に近代的な、どこからも舞台が見えて音がよくて…というホールにしなかった事に、むしろ驚きました。
(まあ、もしかしたら、そこまで直すほど予算がなかったのかもしれませんが。)
やっぱり、マディソンはアメリカじゃないなあ、と(笑)。

こういうホールは、ヨーロッパにはよくありますよね。
勿論、皆建物が古いですから、階級の差がはっきりしていた時代を反映している、ということもあります。
で、そういうホールをリニューアルするときに、やっぱり対応は二つに別れるのだそうです。
それまでの形を踏襲するか、近代的に座席を配置しなおすか。
どちらがいいのか、どちらにも賛否両論ありますけど、アメリカだったら多分近代化をとるだろうと勝手に思っていました。
でも、「見えない席」にも強力なメリットがあります。つまり、チケット代が安い!(笑)
この日のプログラム、ウェーバーの序曲、バッハのコンチェルト(しかもズッカーマンの引き振り)、メインはチャイコの4番という、おなかいっぱいのプログラムです。
それが15ドル!!! 学生なら10ドル!!!
映画見るのと生のフルオケ(しかも世界的に有名なソリストつき)が同じ値段なんて、日本じゃありえないですよ(T▽T)
UW(ウィスコンシン大のこと)には音楽学部もありますし、そういう学生さんが3日間通い詰めても30ドルです……
私も、15ドルの席にしておけば、3日通っても45ドルだったのか……(遠い目)

ちょっと、次は、是非そうしてみよう、という気分になりました (^^;;)
まあ、1階は勿論、弾いているところがよく見えて面白かったですけどね(笑)
ただ、周りが、やっぱり年輪を重ねられた教養のありそうなご老人ばかりで (^^;;)
私のような若造がこういう席に座っちゃいかんのだな、と、妙に納得。。。

で、ズッカーマンの演奏はどうだったか、って? (笑)

そんなわけで、音響的にベストの位置で聴いたわけではないので、音色についてはよく分かりません。(つまり、かなり生の音が聞こえている状態だったので)
出だしは、少々ざらついた印象でした。やっぱりズッカーマンも年をとったのかな、とその時は思いましたが、休憩の時に2階で聴いたホルンの音色と1階での音の差を考えると、2階ではかなり違ったふうに聞こえていたと思います。
もっとも、それでも、序盤過ぎた頃からぐんぐん調子を上げて、流石の音色でしたが。

でも、それより何より、やっぱり2楽章が圧巻でした……
バッハのヴァイオリン協奏曲1番は、ややもすると、2楽章が眠くなりがちです。
いや、綺麗なんですけどね。。。でも、同じメロディの繰り返しが結構出て来るので、後半集中力が切れて眠い演奏多いんですよ(^^;)。
それが、後半(つまり眠くなって来る頃)からどんどん艶身と凄みを増して、どんどん密度が高くなっていく。これでもか、これでもか、と切り札がどんどん出て来るわけですよ(笑)
今更ながら、「ああ、バッハがやりたかったのはこういう事か!」とすごく納得させられた感じです(笑)
あの2楽章のためだけにでも翌日もう一回15ドルの席で聞きにこようかと本気で思いました(笑)
(時間がなくて結局行けませんでしたが)

全体の楽章を通しては、やっぱりちょっと残念ながらオケの方が少人数のアンサンブルに慣れていない、という印象がありました。ちょっと音がざわついているというか……前プロのウェーバーの時から思っていたのですが、人数の割にうまく鳴っていないな、という印象がしていました(もっとも、これもホールの音響がかなり寄与する部分なので、場所によってかなり印象が違ったかもしれませんが)。それでも、人数が多ければなんとか力技で出せますが、バッハで各パート2プルトに減ってしまうと、そのざわつきがもろに聞こえてしまうわけです。大編成オケでの音の出し方と、少人数アンサンブルでの出し方は違いますので、多分慣れていなかった、ということなんだと思います。
で、ズッカーマンのものすごくはりつめたような細いピアニッシモに対し、アンサンブルがざわついて煩く感じる箇所がいくつかあったのが残念。こういうバックの音は難しいっていうのはよくわかってて、自分もやれと言われたら出来ないんですけど(笑)。ただ音量落としても、ザワツキはおさまりませんから。でも、こういう印象って、結構アメリカのオケにはありがちなんですよねえ(笑)元気な曲をやらせると、ホントに明るく元気にやってくれて、楽しいんですけどね(笑)

そんなわけで、前プロとメインの二曲は彼等の血に合った(?!)選曲で楽しかったです。
それでなくても、チャイコ4番は替え歌とかいろいろツッコミ所満載ですしね(笑)。

今度は、フリーのオルガンコンサートに行ってみるかな!
by lily_lila | 2007-01-27 14:26 | 渡米生活...イベント

渡米生活日々の備忘録。


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