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クリスマス・イブのケーキ


冬の最大イベント、クリスマスがやってきた。

クリスマスといえば、クリスマスツリー、サンタクロース、クリスマスプレゼント、それからケーキ! というのが日本人の感覚であるが、私のconversation partnerは「クリスマス・ケーキって不思議よね!」とのたまってくれた。

アメリカの田舎町では、十二月に入ると車のてっぺんにツリーをくくりつけた車が忙しく往来する。サンタクロースはWalgreensやスーパーの入口で赤い缶の隣で鈴を振っているし(勿論寄付を集めるため)、クリスマス直前のショッピングモールは、家族全員分のプレゼントを揃えるためにリストを片手に持った人々が目を血走らせている。
実はこれが予想以上に大変で、家族からおじいちゃん、おばあちゃん、友人、職場の同僚、と毎年プレゼントをひねり出し買いそろえるのが、そりゃもうおおごとなのだ。
一家の主婦ともなれば、これにクリスマス・ディナーの準備が付け加わる。日本でも年末の主婦の忙しさはこれに比肩するけれど、プレゼントはお年玉と決まっているから、まだ少し楽なのかもしれないな、と端から見ていて思う。
それなので、この時期、nativeの友人達はとても仕事どころではない。クリスマス休暇は楽しみだが、それなりにストレスもある、というところであるらしい。





そんなわけで、先の三つは確かにこちらでも重要なのだが、nativeの彼女達にとって不思議なのが、「クリスマス・ケーキ」という習慣であるらしい。
彼等はクリスマスにはプディング(といってもカスタードプリンではなく、パンみたいなやつ)か、パイを食べるのだそうだ。これも勿論、おばあちゃん秘伝、ママの味、というわけで、買って来て食べるようなものではないのだとか。

クリスマス・イブとクリスマス当日は、大抵どこも休みなので、皆家族や友達と集まってパーティをやる。勿論、ミサに行く人もいる。Madisonは、犬も歩けばなんとやら、と言って差し支えないくらい教会が多いので、きっと教会に行く人も多くいるだろう。

さて、日本人の私としては、それでもやはりクリスマスにケーキがないのは寂しい。
それで、夕食会に持って行くのに、シフォンケーキを作ることにした。
実は、シフォンケーキにトライするのは、渡米してからこれで三度目。過去二回は、味は悪くないけど、あんまり膨らまないねー、といった状況で、お世辞にも成功とは言えなかった。
日本でも、昔何度か挑戦したが、全て失敗。「シフォンケーキは難しい」と皆が言うが、たまに、「あんな簡単なケーキはない」と言う人もいる……つまり、条件さえ満たせば、そんなに難しいケーキではない、ということだ。

こちらへきて、再びシフォンに挑戦しようと思った理由は二つある。ひとつは、大きなオーブンがあること。これはアパートに備え付けで、日本だったら置き場が邪魔で絶対売れない!というくらいの大きさだから、扉を開けてもすぐには温度が下がらない。
二つ目は、「クリーム・オブ・ターター」が簡単に手に入ること。これは卵白のメレンゲを支えるために使われる粉で、日本でも注文すれば手に入るようだが、そのへんのスーパーで買うというわけにはなかなかいかない。

日本でクリアできなかった条件を、こっちでは簡単にクリア出来る!ということで、またシフォン熱が再燃したわけだ。が、結果は………

またしても失敗!!
(まあ、前二回よりはちょっとマシだし、大抵の買ったケーキよりは美味しいからいいんだけどさ……)

なんで?! すごい簡単そうに作ってるじゃん! みんな!!
とwebサイトのレシピをひっくりかえしていて、漸く、ドンピシャリの答えを見つけました……(汗)

ココです。。

シフォンケーキの作り方 基本編

メインページはこちら

リンクフリーとあったので、勝手にリンクさせて頂きましたm(_~_)m

この基本編のところに、はっきり書いてありました……フッソ加工の型はダメって(涙)。

つまり、シフォンケーキのあのフワフワ感の秘密は、普通のケーキ作りでは敬遠される特質、つまり、型に生地がはりついてコゲちゃうところにあったわけである。
大体、ケーキの生地は、焼き始めて10分〜15分程度で一気に膨らむ。このときに、膨らみをなるべく妨げないよう、予めオーブンに入れる前に、生地を少し内部の壁面にはりつけておくのだそうだ。そうすると、生地は表面張力に妨げられることなく一気に膨らむことができる。

そうして膨らんだ生地を、今度は萎まないようにする算段が必要になる。生地は熱い空気で膨らんでいるだけなので、オーブンから出した途端にペシャンコになってしまうからだ。
このとき、型にこげついた生地が焼け縮みを防ぐ。周囲が型にはりついているので、生地は冷めてもそのはりついた高さ以下には縮む事ができない。そうしているうちに冷めた生地は固くなり、自分自身の重さを支えられるようになる、というわけである。

ところが、ここでフッ素加工の型を使ってしまうと、生地が型に焦げ付かない。膨らむ時にも、型が滑るので上手く生地が持ち上がらず、オーブンから出した後も、生地が型からはずれてペシャンコに縮んでしまう。フッ素加工の代わりにバターや油を塗る、などでも同様。よくレシピに「油を塗らず」と書いてあるのは、そういう理由だったというわけ。

でも、なんでなのか説明してくれないと、分からないじゃん!!!(>_<)

理屈がわかれば、何故うまくいかないかも納得がいく。このリンクのページの管理者様は、(ご自身でも書いておられるが)このことに気付くまできっと何度も失敗されたのではないだろうか。
この方の記述を裏付ける現象を今回観測した。

というのは、実は紅茶シフォンを作ったのだが、今回、肝心の紅茶の葉を入れるのを忘れて、型に入れてから大慌てで泡立て器で葉を入れてかき混ぜる、という暴挙をやったのである。
その時に、型の内壁に、高さ3センチほど生地がはりついた。で、出来上がったシフォンを見てみると……
まさに、きっちりその高さまで膨らんでいた、というわけである。
実は、オーブンの中ではもっと膨らんでいた。しかし、その高さ以上は、表面張力が邪魔して、型に生地が張り付かなかった。で、焼き上がりを見ると、結局高さは最初に生地がはりついた高さまで戻ってしまった、というわけなのだ。

そういう訳で、前2回よりはちょっとマシ、でも、もうちょっと欲張って高く生地をはりつけておけば、あと2センチは膨らんだかもなー、と後悔。

……というより、このページを先に見つけてりゃよかったんだけど(涙)

まあ、そういうわけで、クリスマスはちょっと課題含みのケーキを持って行くことになりそうだ。

ところで、私の使った型は、24cm、フッソ加工である。が、幸いにも(?)安い型だったお陰で、フッソのくせに生地が焦げ付く。それともそういう仕様なのかな??
つまり、型に生地を予めすこし張り付かせておく、というのが、かなり重要な手順だということになる。パンのように山形にもりあがった膨らみは、オーブンから出したら萎んでしまうのだ。
色々Webに上げられているレシピを見たが、そのことを明記していたページは殆どなかったように思う(上のリンクには写真付きで説明されている)。お菓子作りをする人には常識なのだろうか。

この現象は、他の全てのケーキに言えるんじゃないか、と思う。
スポンジケーキも、オーブンから出したら縮んじゃった、という経験をお持ちの人は多いだろう。私もそれで、スポンジは作らなくなった。
フッ素加工、便利だと思ってたけど、適材適所、ってものがあるのね、と使い古された言葉を噛み締める。

さて、ケーキの飾り付けでもしますか(笑)。
by lily_lila | 2007-12-25 08:22 | 渡米生活...食

渡米生活日々の備忘録。


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