クラシック音楽の(無料)視聴について |
iTuneやらAmazonやらで、簡単にCDの試聴ができるようになりましたが、クラシック音楽でこれ実際に活用している人ってどのくらいいるんでしょうか。 だって、試聴って大抵30秒くらいで、クラシックでオケの曲なんかだと、下手するとピアノ協奏曲なのにオケの和音だけ聴いて終わっちゃったりするじゃないですか(笑)。 まあ、全曲試聴させてくれ、ってのは無理かもしれないが、せめて試聴箇所を選ばせてくれ、と思うことは結構あります。あるいは、よく知らない曲で、とにかく聴いてから買うかどうか決めたい、とか。 というわけで、そういう人におすすめのサイトを紹介します。 無料で利用できるサービスと、有料会員サービスがあります。 以下から、該当するものを選んで下さい。
1) NAXOS NAXOSはレコードレーベルですが、オンラインで自社レコーディングの試聴サービスもやっています。 http://www.naxos.com/ ちなみに、Naxos.co.jpではありません。 ここで、右上のログイン窓のすぐ下に、 ”Not a subscriber yet?" とか書いてある隣の、"Subscribe Now”ボタンを押すと、会員登録のページが開きます。 (このボタンがまた小さくて、ホントに会員募る気あんのか、って感じなんですが(笑)) で、ここで無料会員(Unlimited Free Membership)に登録すると、なんと1曲の1/4までは聴かせてくれるのです! これだけでも、たった30秒よりはずっとまし。。 (1分以内の曲はどうなるのか、という話はあるけど…どうなるんだろ?) ちなみに、Naxosは収録曲の幅広さに関しては他社の追随を許さないので、「こんな作曲家きいたことない」「有名な作曲家だけどこの曲の音源って見た事ない」というときにはまずチェックするレーベルの一つです。 更に、年間20ドルほど(今の円ドルレートだったら、1500円くらいですね)を支払うと、その1/4の制限すら外れて、NAXOSの膨大なライブラリが全て試聴可能になります。 この値段でこのサービスは、はっきりいって価格破壊モノです。 難点は、
プレイリストを作りたい場合は、別途Naxos Music Libraryの会員になる必要があり、そっちは年間200~300ドルとられます(!)。図書館などで導入するならいいけど、個人ではちょっと厳しい値段ですね。 2) Classical Archives プレイリストを作って、自動的に次から次へと演奏を流してほしい、という場合には、NAXOSよりもおすすめのサービスがあります。 まず、流す曲目に拘らないなら、一番てっとり早いのは、フリーのインターネットラジオを利用することです。 iTuneにも沢山登録されてますし(個人的にはVenice Classic Radioにかなりお世話になっている)、イギリスのBBC、アメリカのPBSクラシック専門チャンネルなどで、24時間クラシックばっかり、というのも珍しくありません。似た傾向のものだけ選んで流して欲しいなら、Last.fmとか。 しかし、このエントリの目的は試聴なので、試聴といったら、普通聴きたい曲目が大体は決まっているものである、と思うと、これらのサービスはあまり使い勝手がよくない。 まあ、YouTubeって手もありますが、あんまり音質がよくない。(ちなみに、YouTubeはちゃんと演奏者全員の許可とってからでないとアップロードしちゃだめですよ。作曲家の著作権が生きてるなら、著作権者の許可も必要です。市販CDやmp3などはレコード会社の権利も関わるので、まずダメです。) で、そういう場合におすすめなのが、Classical Archivesです。 2012/2/12 ClassicalArchiveの音源は、日本からの接続では聴けない曲が結構あることが分かりました(汗) ライセンスの問題だそうです。 日本から接続したことがなかったので、気付きませんでした。 ただ、日本からの接続かどうかは、最初はIPで調べ、会員登録してからはクレジットカードの登録住所で調べる、と言っているので、アメリカで発行されたカードを持っている人はそれを使えば大丈夫かも… http://www.classicalarchives.com/index.html まず、何も会員登録しなくても、試聴は1分なので、30秒よりはかなりましです。 (そのかわり、常に冒頭から1分ですが) 更に、クラシックの大手レーベルはほとんど網羅されていますので、いくつか欲しい盤があって決めかねていて、最初1分でもいいから聴き比べて選びたい、という時には重宝します。 また、月6ドル払うと有料会員になり、膨大なライブラリの全てが、全曲無制限に試聴可能になります。 年間会員だと、2ヶ月分タダの割引がつきます。 さらに、このサイトの有り難いところは、一部ではありますが、フリーで全曲聴ける音源があるということです(MIDIも含む)。 コレ、もとはいかにもクラシック好きなオジサンが一人で一生懸命集めました、という感じのサイトで、当時は全ての音源が無料で聴けました。が、数年前に大々的なサイトリニューアルをして、その際に大手レーベルの音源も扱うようになりました。 新しく加わった大手レーベルの音源は、有料会員にならなければ全曲は聴けません。しかし、昔からフリーで公開していた音源は、今もフリーで聴けます。 ホームページを見ると、最早そのことはどこにも宣伝していないんですけどね(笑) たとえば、このあたり、私のイチオシ、おすすめ♪ サン=サーンス バスーン(ファゴット) ソナタ Sounds of Woods Ensemble コレ、録音自体も少ないけど、市販の録音と比べても、フリーのこの演奏が私の中ではベストです。 (あんまり気に入ったので、わざわざ無料会員アカウント作って、お金払ってmp3買っちゃったよ! いや、有料会員だったらタダでダウンロードできるんだけどね(笑)) あと、コレとか。 スクリャービン : 左手のためのノクターン (Op.9) John Bell Young これも色々聴き比べたのだけど、この演奏が結構好き(^^) ちなみに、"Select your collection”の項目で、"Free Play"にチェックを入れると、タダで聴ける曲だけが表示されるので便利です。 (このオプションは、有料会員になると"Contributed"に変わり、これがONになったままだと、大手レーベルの音源はリストされないのでご注意。有料会員になったら"Recordings"にチェックしましょう。) ただし、これを無料で全曲聴くには、ちょっとひと手間かかります。 まず一度有料会員の登録をして、その後、2週間以内にキャンセル、という手続きをとらなくてはなりません。 Classical Archivesにはちゃんと有料会員と無料会員の区別があるのですが、無料会員専用の申込窓口がなくて、有料会員の手続きをしてから、キャンセルすると無料会員にダウングレードされる、というシステムなのです。 会員登録時には、2週間のフリートライアルがついてくるので、2週間以内にキャンセルすれば無料会員に移行し、お金はかかりません。 この手続きをしないまま、上のリンクのプレイボタンを押すと、試聴は1分で切れてしまいます。 なお無料会員アカウントでの全曲試聴は、1日5クリックまでの制限があります。 間違ってボタン押しちゃった、も、1カウントとられますのでご注意。 ソナタなど楽章があるものは、全曲試聴ボタンを1回クリックすれば、カウント1回で全曲聴けるようです。 会員になるには、トップページから「14 days free trial」の窓をクリックして、必要な情報とクレジットカード情報を登録するだけです。 万が一キャンセル忘れて痛い思いをしないように、Monthlyの契約の方にチェックを入れておいたら良いと思います。月払いなら、まあ、うっかりキャンセル忘れてもそれほど痛くはないでしょう。 個人的には、これは有料会員になる価値のあるサービスだと思っています。 私は、気に入った音源はどうしてもCDで欲しい人間なので、ここで散々試聴しまくって、選び抜いたCDを通販しています。 勿論、mp3のダウンロード販売もやってます。値段は、他サイトと比べてみた方がいいこともありますが。 (有料会員になると、mp3のダウンロード料金も10%offになります) 3) 著作隣接権の切れた演奏をネットで拾う 去年の冬あたりに、日本で著作隣接権が切れたとみなされる、演奏後50年を過ぎた演奏のmp3ファイルを集めたサイト(Public Domain Archives)が話題になりました。 演奏にかかわる財産権が演奏後50年で消滅する(ただし、演奏をレコードなどに固定して発行するレコード制作者の権利は「発行」された日から50年生き続けるので注意、つまり演奏日だけ見て勝手に判断はできない。実演が放送録音だったら、最終放送日から50年になるのでもっと注意が必要)のは確かですし、実演家人格権には、「氏名表示権」「同一性保持権」はあっても「公表権」はないので、財産権が切れた演奏をパブリックドメインとして扱い、個人が集めて公表するのは問題なさそうです(あくまで私が見たところそう思っただけなので、専門家の先生方は違うことを言うかもしれない)。 にもかかわらず、現在上記のサイトは消滅している模様です。 何か圧力があったのか、単に個人的な理由でやめたのかは、よくわかりませんが。 ただ、類似のサイトは「クラシック パブリック ドメイン」「public domain music」などのキーワードで検索をかければひっかかります。 個人的には、財産権はともかく、50年で自分の意図しない場所、ネット上などで公表させるかどうかの決定権も奪われてしまう、というのは、ちょっと演奏家に可哀想な気もしますが、日本はそういう法律なので納得するしかないのでしょうね。 著作権みたいに死後50年とかなら、どうせこの世にいないんだからいいだろうけど。 演奏後50年じゃ、早くにデビューした人は下手したら60代で初演がパブリックドメインになるってことですよね。 あの演奏は上げてほしくないなあ、とか、どうせ上げるならこっちにしてよ! っての、多分あると思うし、若い頃と演奏スタイルが変わっちゃって、若い頃の演奏のイメージばかり一人歩きすると困る、ってこともあると思うんだけどなあ。 音楽家で共同して音源集積サイト作って、自分でお気に入りの演奏を上げるシステムがあればいいと思うけど、音楽家の皆さんはそういうことする時間ないんだよね〜きっと。 そういうわけで、私自身がこれらのサイトを使うのにあまり積極的ではないので、この項目の説明はこれでおしまい!(笑) 使うなとは言わないし、敢えて手に入りにくい古い演奏家の録音を聴きたいならおすすめなんですが……。 こういうサイトで曲を聴いても、演奏家にはまったく還元しない、ということも、音楽を愛する皆様には、是非記憶に留めておいて欲しいな、と思います(^^)。 |
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